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きょろきょろと辺りを見渡すが、それといったものは無い。 立ってあちこち見てみるが、何かある筈だ。 暫くウロウロしていたら、電話を見つけた。 浴室の洗面所に置いてあったのだ。 今時珍しい黒電話で、結構年季が入ったものだ、 水気があると電気製品ってダメなんじゃ…?と思ったが、支障はなさそうだ。 あ、黒電話の横に電話番号が書いてあるメモが貼ってる。 『エントランス電話番号 ○○○○-△△△-□□□ 何かありましたらご連絡ください~誰そ彼旅館~』 よし、かけてみよう。 ジリリリリリ、とコール音が鳴って、すぐガチャ、となった。 「はい、エントランスです」 弐ちゃんとは違う男の子人の声が聞こえた。 「あの、朝食を食べ終わったのですが…」 「了解致しました。では、向かわせます」 向かわせます?一体何を?電話を切って、一息着くまもなくリンっとベルが鳴った。訪問を知らせるベルだ。 「誰だろう?」 ドアを開けると、狐…ならぬ狐のお面を被った男の子が二人いた。一瞬狐に見えたのは幻覚だろう…な。 「エントランスから食事を引取りに来ました」 「え?」 私がエントランスに電話をしたのはつい先程だ。しかし、この子達はまるで私が電話をかけるのを知っていたかのようにタイミングよく来たのである。 なぜ…?
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