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「面白いほど呆けた顔をしているな」 「…は?」 気まずい沈黙を切ったかと思えば…なんて失礼なことを…。 「彩歌とは似ているようで別人なのだな。。彩歌はもっとしっかりした顔立ちをしていた」 まさかこの人、私と祖母を重ねてる? 「今この状況を理解出来ているか?彩歌の孫」 「全く分かりません」 即答だ。当たり前である。分かるはずか。 「では話してやろう。俺と彩歌の事を。嗚呼、生憎椅子がないのでな。床にでも座っといてくれ。汚くないからな」 別に汚いとかどうでもいいのだが…とりあえず座ろう。 「座ったな。改めまして、俺は酒呑。酒呑道慈。大昔の名は、酒呑童子と言う」 しゅてんどうじ…酒呑童子?ああそうですか…ってえ?!あの、大江山の酒呑童子?! 鬼の頭領で、大江山を拠点として若い貴族の姫を誘拐して側に仕えさせたり、人を刀で切って生のまま喰ったりしたという…あれ? 「ふふ、信じられないと言うか」 「そりゃ…」 「それについても聞きたいだろうが、後々聞いてくれ。今は君の祖母の事だ。これは、千年以上前から続く話。」 まるで祖母のように、御伽噺を語るように、酒呑道慈は優しく言葉を紡いだ。
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