孤独

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「えっ…よ、ようこそって…」 「さあさあ、お部屋に案内します!こちらへ!」 「あのっ、私お金もってないのですが…!」 私は今文無しである。 なのに、何故この子達は受付より部屋への案内が先なのだろうか。 「会計は後払いですので、先にお部屋へ案内します!弐、こっち!」 大勢の少女達の中から一人の髪が長く狐の面を同じく被った子が1歩前に出る。 「……こちらです。」 弐ちゃんは私を少し見てからふいと右側のエレベーターへ向かった。 私も慌てて着いていくが、後ろを見たらもう誰も……居なかった。 エレベーターの中はやはり中華風で、金や赤の装飾がふんだんに使われていた。階は見た目に反し12階程あるようだ。 「え、えっと…本当に会計はいいのですか?」 今更不安になって、問い掛けてみると、私の前に立つ弐ちゃんは静かに応えてくれた。 「ここではお金出ないものを頂きます。なので心配ありません、千夜様」 お金でないもの…なんだろう…。 あと、何故私の名前を知っているのだろう? まだまだ謎が残ったまま、チリン、とエレベーターが鳴った。目的地に着いたらしい。 「11階、白百合の間です」 降りるとそこは白をモチーフにした部屋で、今までとは違って至ってシンプルだが、所々白百合のモチーフを飾っている。 普通のビジネスホテルと同じような造りだが、どこか懐かしささえ感じるような…… 「ここが千夜様の部屋でございます」
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