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【 第10話: 実家に帰れ 】
私は手招き猫ちゃんのポーズで、頑張って笑顔を作る。
すると、お兄ちゃんは、また真剣な顔をして私にこう言った。
「若菜、お願いがあるんだ……」
「なあに? お兄ちゃん」
「明日……、お前、実家に帰れ」
「えっ!?」
それは、突然だった。
お兄ちゃんが私に、実家に帰れなんて……。
「どうして……?」
「兄妹って言っても、さすがに1ヶ月一緒に暮らすのは、やっぱりマズイからさ……」
「でも、お兄ちゃんの彼女になるって、約束だったじゃん」
「俺は何も1ヶ月丸々彼女役をしてくれって、言った訳じゃないから」
「そ、それは……、お兄ちゃんがあの女性とそういう関係になったから!? 私が邪魔になったっていうこと!?」
「違うよ……」
「じゃあ、どうして私が帰らなきゃいけないの!?」
その時私は、お兄ちゃんに自分の感情を爆発させてしまったんだ……。
このまま実家へ帰ったら、もう二度とお兄ちゃんとの関係を築くことができないと思ったから……。
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