【 第2話: お兄ちゃん、気持ちいい? 】

1/1
前へ
/15ページ
次へ

【 第2話: お兄ちゃん、気持ちいい? 】

 私は、こっそりかわいい猫ちゃんの耳かきを自宅から持参していた。  この猫ちゃん耳かきで、お兄ちゃんの耳をコチョコチョしちゃうのだ。 「ねぇ、お兄ちゃん。耳かき持って来たから、耳コチョコチョしてあげる♪」 「いいよ。そんなの自分でやるよ」 「ダメだよ~。お兄ちゃんは私の彼氏なんだから、ふたりで仲良く耳コチョコチョするんだよ!」 「だから、俺の彼女役はもう終わってるから……」  右手に猫ちゃん耳かきを持ち、得意の猫ちゃんの手で顔の前にグーを作り、首を斜めに傾けて猫ちゃんポーズでアピールする。 「昔みたいに、仲良く耳コチョコチョしよ♪ ねっ! お兄ちゃん♪」  お兄ちゃんは呆れた様子。  でも、観念したみたい。素直に私の要求に応じる。 「どーすりゃ、いいんだ……」 「私の膝の上に、頭を乗せるニャン♪」 「こうか」 「そうだニャン♪」  お兄ちゃんが、正座した私の膝の上に頭を乗せてくる。  私は、急に我に返り、胸がドキドキし始めた。 (お兄ちゃんがすぐ近くにいる……)  膝の上で、目を瞑っているお兄ちゃんの横顔は、惚れ惚れしてしまう。  軽く巻いた少し茶色がかった黒髪、肌は白く、どうしてこんなにも艶がいいんだろう……。  耳の形もとてもかっこいい車の流線型?っていうやつみたい……。  そしていよいよ、猫ちゃん耳かきをお兄ちゃんの耳の穴に初ダイブさせる……。  GO!
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加