【 第3話: 天才コチョリスト? 】

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【 第3話: 天才コチョリスト? 】

 かわいい猫ちゃん耳かきのやさしい耳コチョコチョに、お兄ちゃんはとても気持ち良さそうにしている。  そのとろけそうなお兄ちゃんの顔を見るのも、私はとても嬉しいし満足だ。  夢だった……。こういうシチュエーション……。  私たち、ようやく、こんな関係になれたんだね……。 「はい。終わったよ、お兄ちゃん♪」 「ああ~、ありがとう。気持ち良かったぁ~。寝ちゃうとこだった」  お兄ちゃんは、私の耳コチョコチョに大満足のよう。  これで、また、お兄ちゃんから「耳コチョコチョして」って言ってくるはず。 「若菜、お前の耳も見てやろうか?」 (キターーッ!)  私はその言葉を待っていたんだ。  念願のお兄ちゃんからの耳コチョコチョ返し。  私はこれをどれだけ楽しみにしていたことか……。  最後に、お兄ちゃんに耳コチョコチョしてもらったのは、小学校4年生くらいだったと思う。  私は、お兄ちゃんの膝の上に頭を乗せる。  筋肉質だから、すこし硬めだが、頼もしい足。  膝を少しスリスリしてみる……。 「おい、集中できないからやめろ」  突っ込まれた……。  そしていよいよ、念願の猫ちゃん耳かきが、私の耳の中へ入ってくる……。  何だか、快感でジ~ンってしてくる……。  お兄ちゃんのやさしい耳コチョコチョが、私の全身の神経に快楽を(もたら)す。  何て気持ちいいんだろう……。  お兄ちゃんは、耳コチョコチョの『』か……。 「はい、こっちの耳終わったぞ。次、反対な」 「あっ、ありがとう……」  気持ち良過ぎて、時間の経つのが実に速い……。  もう、折り返しだ……。  反対の耳にも、お兄ちゃんのやさしい『天才コチョリスト』の技が……。  もう、私はお兄ちゃんの……。  いや、『天才コチョリスト』の虜だ……。
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