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第二章~6~
ー來都と黄の部屋の前ー
バサバサッ
碧「おーい黄~…っと、おめーら何してんだ?こんなとこで座り込んで。」
黄金にコツを教えてもらう事を拒み、黄に教えてもらうことを選んだ碧。
黄の部屋へと飛んできた碧の視界に入ったのは、紅と翠が扉の前に並んでちょこんと座っている姿。
紅「あ、碧くん。」
翠「黄さんに人化のコツを教えていただきにきたんですけどね~」
紅「中で話し声がしてて入りづらくて、終わるのをここで待ってるんだ。」
言われてみれば確かに部屋の中から話し声が漏れ聞こえてくる。
だがそんな事はおかまいなしの碧。
紅の言葉が終わる前に扉にタックルをかました。
バーンッ
紅&翠「!?」
碧「おーい黄!人化のコツを教えやが…れ?」
飛び込んだ碧が固まる。
どうしたのかと紅と翠が部屋を覗くと、そこには來都の真向かいに見知らぬ青年がいた。
紅&翠「し、失礼しましたぁ」
來都の客人だと思い、碧を抱えて部屋から出ようとすると。
青年「あぁ。お前達か。」
ポンッ
小気味よい音と共に青年が自分達の良く知る竜へと変わった。
3匹「黄(っ/くん/さん)!?」
駆け寄る3匹を見ながらクスクス笑うは既に儀式を終えている地を司る竜、黄。
主である來都に静かに付き従う姿は里の内外を問わず密かにファンクラブまであるという噂。
黄「コツを教えろというのだろう?言うより見せた方が早いかとな。」
來都「…俺は席をはずす。頼むぞ。」
黄「御意」
黄の返事を聞くか聞かないかの内に來都は部屋を退出して行った。
程なくして部屋の中から聞こえる賑やかな声に小さく笑みをこぼしつつもどこか不安げに天を仰ぐ來都だった。
來(…嫌な予感がする…何事も無ければいいが…)
ー続くー
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