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第三章~3~
舞台に上がり、一礼をする紅。
紅「我が名は紅。司るは焔。
我が演舞、とくと御覧じろ!」
紅の凛とした口上が響く。
顔を上げ、軽やかに竜の演舞を舞おうとしたその瞬間。
突如として黒い雲が空を覆い隠すように出現した。
皆が空を見上げたその先に広がっていたモノ。それは雲などではなく、なんと無数の蜂の大群だったのだ。
一気にパニックになる民衆。
この状態では何が起きてもおかしくはない。
刹「...蒼」
蒼「あぁ。何かがおかしい。」
蜂の大群は空を覆うと同時に、我々の目隠しの役割も担っているらしい。
別の大群が押し寄せ、人々の間を飛び回り始めた。
煉「何が起きてんだ!」
舞台から降りてきて皆と合流した煉と紅。
響「わかりません。だが、まずは皆の避難が先です。」
煉「ちっ!...あ?お、おい!紗久夜がいねえッ!?」
煉の慌てた声に、姫のいるであろう場所を見る一同。
だが、本来そこにいるはずの姫の姿はあたりを見てもどこにもなく。
そのかわりに、姫の玉座には違う人物がニコニコしながら座っていた。
?「どーも♪」
ー続くー
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