第四章~1~

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第四章~1~

煉「…ここ、どこだ?」 月影 煉。ただ今絶賛迷子中。 里を出て数週間。そろそろ街に着くという時に、煉の悪癖である突っ走り癖を発揮。他の皆とはぐれ見事道に迷ったのだ。 紅「ゔぅ~…翠ちゃぁん…」 煉「だぁあああ!いちいち泣くんじゃねえ!」 紅「こうなったのは、元はと言えば1人で突っ走った煉のせいだかんね!」 そう。皆で周りの様子を伺いながら森の中を進む途中、煉が突然走り出したのである。 紅は慌ててそれに着いてきたのだ。 煉「う、うるせえ!姫っぽいやついたから仕方ねえだろ!」 紅「こんなとこに姫が1人でいるはずないじゃんかー!」 攫われた姫が森の中を1人でうろついていたらそれはそれで問題がある。 むしろそれだったらこの任務も簡単に完了出来ただろう。 煉「んなこたわかってんだようっせぇな…」 紅「だいたい煉はいっつもこうなん…」 煉「しっ…!」 愚痴から説教に変わろうとしていた紅の口を突然塞ぐ煉。 周りを警戒するかのように近くの茂みに静かに身を隠す。 紅「…むぐっ…なに?」 口を塞ぐ手をどかし小声で尋ねる紅に応え、数メートル先を指さす煉。 そこに見えたのは。 紅「ぎゃぁあああっ!竜が出たぁあああッッ!!」 煉「てめえも竜だろうが!声がでけぇ!バレる!!」 叫ぶ紅をどつき竜の様子を伺うと時すでに遅し。 さっきまでゆったりと歩いていた竜が立ち止まり、こちらを向いている。 煉「…げっ」 こちらを向いているという事はつまり、ばっちり目が合っているのだ。 2人「ばれてるぅううううう!!?」 竜「ぐぎゃぁおおおおっっ」 煉「に、逃げろぉぉぉおおお!!」 逃げる者を追うのは野生の性(サガ)。 果たして…ー ー続くー
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