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第四章~4~
翠「…紅くん。」
静かに自身を呼ぶ声にびくっと肩を跳ねさせた紅。それが己の番だとわかると助けてくれるのかと目を輝かせてそちらを向く。
紅「な、なに…?」
翠「…。しばらくは口聞いてあげません!」
紅「え゙っ」
思いがけない翠の言葉に、紅の大きく見開かれた瞳からじわりと涙が生まれ、ほろりほろりと流れ落ちる。その姿を見た翠は一瞬絆されそうになるが何とか堪え、紅から目を逸らす。それにより紅は再びダメージを受け打ちひしがれた。
碧「愛想つかされたな!けけけっ」
碧の言葉にも反応せずただただ涙を流して翠を凝視する紅。皆はいい薬になるだろうと思いそのままにすることにした。
こうなったのは全て煉の行動が発端なのに。煉が突っ走ったから。煉が。煉が。
自分の主を責める言葉がたくさん浮かぶ。でも、黄金の言う通りそれを止めなかった自分も悪いのは百も承知。だから煉を責める気にはなれなかった。
紅「…本当に…ごめんなさい…ッッ」
ー続くー
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