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第四章~5~
刹「見えてきたぞ」
その声に皆が視線を上げると、目の前に広がるのは結構な大きさの街。まずはここで情報を集める事にした6人。竜は人目を避ける為、肩乗りサイズになった。
響「それでは、各自目撃情報などの聞き込みをお願いします。何かありましたら竜を飛ばしてください。夕刻になったらまたここで集合です。」
5人「「「「「了解」」」」」
響の指示に返事をして動き出す。それぞれが得意な方法で。ある者は店の者に。またある者は裏路地の住人に。老若男女問わず、何か知っている者や見た者がいれば上手く相手を乗せて情報を聞き出す。そうして何度も依頼をこなしてきた。
…ただ1人を除いては。
煉「うわっと!?」
店員「ったく!店内で騒ぎ起こさないどくれ!」
そんな店員のお叱りの声と共に外へと放り出された煉。大方、情報を無理に聞き出そうとして客とトラブルになったのだろう。
普段からちゃらんぽらんで、初対面で相手が目上であっても生意気な口を聞く為、至る所でトラブルになる男、煉。
情報収集する時は煉は外すのが暗黙のルールとなっていたが、今後の事で頭がいっぱいな響は忘れてしまったのだ。
煉「…っくそ…あのジジイ本気で殴りやがった…」
紅「煉の言い方が悪いもん。仕方ないでしょ」
1人と1匹の言葉を聞く相手は、どこにもいなかった。
ー続くー
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