第四章~6~

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主「…本当に皆、妾の為によくやってくれた。改めて礼を言うぞ。しかしまだ油断は出来ぬと思え。」 4人「「「「っ」」」」 主「この器の娘を取り戻そうと奴らは既に動き出しておる。任務から戻った蜂乃丞からそう報告が上がってのう。それに妾自身まだ本当の力を取り戻してはいない。」 そう。主の力の大半は未だ封印されたまま。何かのきっかけがあれば完全に解けてしまうのだろうが、誰にも解除方法はわかっていない。勿論それは主本人にも。だがそれもある意味時間の問題といえよう。解けかけた封印の綻びは、知らぬうちに徐々にその穴に大きくしていくのだから。 主「だが今宵は満月。妾の力が最も強くなる日じゃ。」 槐「っそうですわ!今日は雲一つない綺麗な満月!貴方様のお力でそのまま封印が破られるかもしれませんわぁ!」 槐が主の言葉に肯定すると他の3人も口々に同調を示した。その言葉に気を良くしたのか、主も微笑みを深くして4人を順に見渡した。 主「うむ。そうなると良いのう。…っぐ!?す、すまぬ。妾は少し休ませてもらうとしよう…」 にこやかに言葉を返していた主だが、不意に胸を押さえ倒れ込むも近くにいた紫蘭に無事抱きとめられた。主の身体は未だ年端もいかぬ子供の物。その上、今は魂が2つ入っている状態。それに身体が追いついていないのだ。 辛そうに4人に言葉を残し、主は立ち上がるとフラフラと部屋の奥へと消えていった。
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