第五章~3~

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第五章~3~

夜が明け、昨日得た情報をもう一度整理したことで捜索範囲をある程度絞る事が出来た。以前みたいに何も情報もない中の捜索よりも、まだ希望が見えてきた事により一行の表情にもほんの少しではあるが余裕が見え始めた。 煉「よっしゃぁ!これであいつらに近付いたってもんだぜ。待ってろよ姫っ!」 刹「…短絡的」 煉「んだとゴラァ!!」 刹「…うるさい」 いつもの如く楽観的な煉が調子に乗れば、慎重型の刹那がボソリと呟き、それにすぐ煉が噛み付くというコントみたいな流れを生み出す2人。 他の面々は既に慣れたもので、誰もツッコミを入れない。煉の相棒である紅と刹那至上主義である蒼ですら、放置を決め込んでいるというまさにカオスと言うべき空間が完成していた。周りを行く人々が怪訝そうな目でその場をちらりと横目で見てはそそくさと通り過ぎていくのみであった。 翠「お2人とも相変わらずですねぇ~」 響「放っておきなさい。…ん?」 自分の相棒と共に2人を見つめる響。ふと何かを感じたのか窓の外へと視線を向けた。だがその気配は無くなったのか顔を顰めながらも部屋へと視線を戻し、未だ収まらぬ室内の喧騒に深い溜息をついたのであった。 ー続くー
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