第五章~5~

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第五章~5~

再びそれぞれ別れ情報収集へと繰り出した月の一行。この間と違い今度はある程度確実性のある情報が入手できたからか、皆の表情にも多少の余裕が感じられた。そのおかげで今まで知ることの出来なかった新たな情報もたくさん聞くことが出来たのだ。 新たな情報とは、既に姫を攫った連中はこの街から離れている事。そしてその連中は大きな虫を従えていた事。恐らくこれは姫が攫われた時に見た、蜂乃丞が連れていたあの大きな蜂の事だろう。 響「大分情報が集まってきましたね。ただ向こうの動きに無駄がないのが気になります…」 來「…何かが背後にいるのかもしれない」 響「そうですね…より一層の警戒をもってこの任務に当たらないといけませんね」 一行の中で一番の頭脳派である響と、冷静に判断したり場の空気を察知して行動する事に長けている來都。普段この2人が一緒に組む事は早々無い。今回は他の面々がそれぞれ好き勝手に飛び出して行ってしまった為、残った2人が組んで行動しているのだ。その甲斐あってか、皆へと報告する前にその得た情報を整理していくという事が簡単に成されている。 この2人のどちらが欠けたとしたら月の一行はほぼ間違いなく瓦解してしまうだろう。 響「…とりあえずこれ以上は新しい情報は拾えなさそうですね。誰か戻っているかもしれませんし一度宿へ戻りましょうか」 來「わかった」 他の面々も何かしらの情報を得ていることを半分ほど期待しながら、2人は帰路へと着いた。 ー続くー
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