第一章~3~

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第一章~3~

―コンコンッ 部屋に響く静かに扉をノックする音。 ?「……zzz」 只今この部屋の主は爆睡中。 ―ドンドンッ 次に響いたのは思いきり叩いてるのではないかと思われる大きなノック音。だが、部屋の主はやはり起きない。 ―バキッ とうとうしびれを切らした来客者。 扉を蹴破りそのままズカズカと中に入ると爆睡中の男を蹴り起こした。 ?「ってーな!誰だ眠りの邪魔したのは!」 言いながら来客者に殴りかかったが、簡単にかわされた。 客「てめぇが起きねえからだろうが!灰すら残さず燃やすぞ!煉(レン)」 燐「ゲッ、啓介かよ…。寝起きにお前の炎はマジやべぇ…」 啓「フンッ。てめぇに炎の使い方教えたのは俺だしな」 部屋の主、月影 煉。 言わずもがな、10年前の儀式の目撃者。 年齢は17のやんちゃ坊主。 紅い髪のツンツンヘアー。同色のつり目の瞳をもつがもともとが童顔である為、年相応に見られないのが不満。 来客、花澤 啓介。 年齢は煉と同じ17。 褐色の肌に銀髪。美形。 左右の手に、色の違うグローブをはめている。 2人は幼なじみでありライバル。 この里と啓介の里は隣同士で、古より親交を深めている。 煉は元々啓介と同じ里の者だったが、刹那や双子と同じく竜を従えていた為、月影に養子に出されたのだ。 煉「んで?啓介が何でここにいんだ?」 啓「あ?てめぇに用はねぇが、この里にヤボ用でな」 煉「ヤボ用?」 啓「ちょっと里のな。さっさと終わらせて帰る途中で響さんに捕まっt「おや。捕まったとは心外ですね」 煉・啓「「―ッッ!?」」 突然聞こえた声に驚いた2人。 響「僕が起こすより、確実に起きてくれますから。ね?煉?」 ニコニコ笑いながら2人に近付く響。 2人((気配が無かった…それに目が笑ってねぇ…)) 月影 響。彼もまた10年前の目撃者。 年齢は19。 翡翠色のショートヘアー。 眼鏡をかけているが、別に視力は悪くない。 いつもにこにこと微笑みを浮かべている。 (こういう姿のほうが、何かと都合が良いのですよ。by響) 響「さて、僕が来た理由。わかりますね?」 煉「あ、あぁ…」 響「早々に連れ帰って下さい。仕事の邪魔です。」 煉「いーじゃねぇか」 響「……(黒笑」 煉「…ぅ゛…わ、わかったよ…」 煉の竜、火竜の紅(コウ)と響の竜、風竜の翠(スイ)は恋人同士。二匹は里の皆が公認しているくらい仲良し。 響「とにかく、早くお願いします」 そう言って部屋を出て行った。 あとに残るは疲れた表情を浮かべる男ふたり。 啓「じゃ、じゃぁ俺も帰るわ」 煉「おぅ」 去っていく啓介を見ながらため息をつく。 煉「面倒くせぇ…ったく…」 ―続く―
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