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第五章~6~
少し時を遡る事2時間前。
自分の敬愛する主人と離れていた五竜。彼等は飛べない主人の代わりに、空からの情報収集にそれぞれ精を出していた。敵も空を飛ぶ為、やはり地上だけでは得られない情報が多いのである。
碧「うがあああっ!なんで俺様がこんなクソめんどい事やらなきゃなんねえんだよ!!」
黄金「いきなり叫ばないで下さいな!私の大事なお耳が壊れてしまいますわっ!」
碧「いっでえ!?」
叫ぶ碧を己の尻尾で容赦なく叩く黄金。
これもよく見られる光景である為、他の竜が気にする様子は一切ない。
蒼「それにしても、情報が錯綜しすぎじゃないか?」
翠「そうですねぇ~…私でもこれはおかしいなって思います~」
騒がしい2匹を他所に各々が入手した情報を照らし合わせる4匹だったが、その情報と言うのがどれも何者かによって仕組まれたような怪しい情報ばかり。有益な手がかりになるような情報かと思えば、明らかに嘘だと見抜けるような話など。どう考えても、敵の掌の上で上手く踊らされているような現状に頭を抱えるしかなかった。
紅「まぁまぁ皆、うーんって悩み続けるよりちょっとお茶でも飲んでひと息入れようよ。僕、美味しいお茶とお菓子買ってきたからさ!」
そこにのほほんと現れた紅。
彼は情報収集の合間に、息抜き用のおやつも買い込んでいたのだ。
確かに紅の言う通り、現状では情報の整理もままならない。息抜きしてからの方が必要な情報をピックアップしやすくなるかもしれない。
マイペースな紅の雰囲気に毒気を抜かれた四竜は、彼の周りに大人しく集まってしばらくの息抜きを楽しんだのであった。
ー続くー
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