6人が本棚に入れています
本棚に追加
第一章~5~
姫と來都が城へと去っていく姿を、木々の間に紛れじっと見つめている不穏な影が二つ…
?「…ふぅん。あれが例のお姫サンかい?まだガキじゃないか」
?「でもあの額の印はぁ…まさしくあの御方の封印の印よぉ…ふふっ♪」
山吹色ショートヘアのスレンダーな女が訝るように、黒髪ストレートロングの豊満な身体の女が恍惚とした表情で話している。
?「…嬉しそうだね、アンタ」
?「あらぁ、当然よぉ。だぁってやっとあの御方にお会い出来るチャンスが来るのよぉ~?」
?「そうだね…今は力を知らないただのガキだけど、覚醒さえすれば我が一族の長年の願いが叶うんだ」
?「あぁん、早くお会いしたいわぁ…」
喜びが隠しきれないとでも言うようにその場で身悶えする黒髪の女。それを呆れたように眺め、しかしこちらも若干の嬉しさを滲ませながら話すもう1人の女。
?「とりあえず、報告に戻るとしようかね」
ザァッー
?「うっふふ♪待っててねぇ、紗・久・夜・ちゃん♡」
フワッー
彼女達が去った後には何も残らない…
一体何者なのだろうか。そして、『あの御方』とは…
ー続くー
最初のコメントを投稿しよう!