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それにしても...学園から姿を消したのだもの...お父様もお母様も心配してますわよね...
一応公爵令嬢なのだし...探してくださっているとは思うのだけど、はぁ...なんで攫われてしまったのかしら...身代金かしら...それとも何処かに売り飛ばされる???
「どうしましょう...本当に売り飛ばされちゃうのかしら!」
ああ...海外の富豪のブクブク肥った殿方とか、高級娼館とかに売り飛ばされるとか???
「そんなの嫌...気持ち悪い殿方の慰み者にされるのは嫌〜ううっ」
ポロポロと涙が溢れる...わたくし確かにわがままだったと思うけど、そんな人に恨まれる事したつもり無いのに...
それこそわたくしを邪魔と思っている輩がいるのかしら...もしかフェルナンド殿下が裏で手を引いてるのかも!
「別にフェルナンド殿下の事好きでも何でもないのに、身分だけで婚約者にされただけなのに...こんな事なら破棄して頂いても良かったのに...ぐすっ」
本当は見た目ばっかりな馬鹿で、あんな女を取っ替え引っ替えする殿下と結婚なんて嫌だったのに、王様とお父様が『あの馬鹿を躾けられるのはお前しかいないのだよ...サンドラ...』ってお願いされたからなのに...うっうっ...
ベッドの上でうつ伏せで、さめざめ泣いていると、例のメイドがまた現れたわ!
「アレクサンドラ様!どうされたのですか!」
「近寄らないで!どうせ私何処かの遠くの国の富豪のブクブク肥った殿方とか高級娼館に売り飛ばすんでしょ!うわぁぁぁん!」
「そんな事は絶対ありませんから、泣かないでくださいませ」
「でなければ、私を攫った旦那様とやらの慰み者にするんでしょ!こんな鎖をつけて逃げられないようにするんですもの!」
「ああ...やっぱりこんな事、怖がらせるだけだと言ったのに...そうですよね、こんな足枷怖いですよね...」
わんわん泣く私をそのメイドは慰めるけど、信じられなくてずっと泣き続けていたわ...
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