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黄色いセーター
窓際の席を選んだのは、特に理由があった訳じゃない。
大学図書館のロビーはテスト期間の学生で賑わっていて、他に空いている席もなさそうだったし、弱い光が差し込むその場所が何となく居心地よさそうだったから。
それだけ。
いつもと同じような日に、適当な席に座っただけで、映画の主人公みたいに人生が変わるなんて思いもしない。
ギリギリ受かった大学で、少ない友達とクラスに出て。
なるべく目立ちたくないし、面倒なことは避けてきたし、ましてやスリルを求めて嵐の中に飛び込むなんて絶対ない。
あり得ない。
でも、嵐って気づいたらいつのまにか巻き込まれているものなのかも知れない。
最初は小雨だったのに、気づいたら傘も差せないまま、びしょ濡れになっているんだ。
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