ボクの愛しい冷たいキミ

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 他人(ひと)はパーシィ・ブラウンの姿を一目見た瞬間に、手を伸ばさずにはいられなくなる。  顔の造形はアンティークドールのような愛らしさを持つ黄金律。  ハニーブロンドの髪は豪華に盛り上がった、ふわふわのホイップクリームを思わせる。  真っ白い肌は陶器のように滑らかで。  サファイアの瞳を縁取るまつげは美しく長い。  四肢は、古代の彫刻さながらに完璧な長さと形。  きっとその体に触れたのならば柔らかく、口づければ砂糖菓子のように甘く、抱きしめたならば天上の幸福で満たされるに違いない。  人々はパーシィの姿を見て焦がれる。  だが、いざその手を伸ばせばパーシィは悲鳴を上げて逃げ出してしまう。それは、彼の両親ですら例外ではない。人々は指をくわえて、その天上の容姿を眺めるしかなかった。    ――パーシィ・ブラウンは人に触れられることを殊の外嫌ったのである。
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