最後の温もり

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 何とも言えないモヤモヤを抱えながらちょうど二週間が経った。大学の食堂で友人たちとお昼ご飯を食べているとお母さんからメールが来た。 『明日お葬式をします。お通夜はしない事にしましたが、なるべく早く帰ってきてください。』  早朝だった。部屋の外が騒がしくて目を覚ますと、両親の声が聞こえて慌ててリビングへと向かった。 「あら、起きちゃった。ごめんね。これからお父さんとお爺ちゃんの病院に行ってくるから。学校にはちゃんと行ってね。千草にも仕事に行くように言っておいて。お昼にはメールするから」 病院から連絡があったらしく、お母さんは言いたいことだけ言ってお父さんが運転する車で出掛けて行った。  部屋に戻ってベッドに入る。時計を見ると朝の五時だ。目が冴えて眠ることが出来ず、目をつむったまま暫く時間を潰した。  お姉ちゃんが起きると事情を話して、二人で朝食を食べてから家を出て、午前の授業を受けた。  食事が終わると友人たちに簡単に説明をしてから公欠の手続きをするために事務所に向かう。先生方には事務所から連絡をして貰えるらしい。手間が省けて良かった。授業のノートをコピーして貰う約束を友人たちにお願いをしてから家に帰った。
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