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トモコの気持ちを初めて知った。私は、わかりあってるつもりでいただけだったんだ。トモコの表面だけ見て、全部知ってる気でいた、だけだったんだ。
「あんた達の方が、ずっとずっとお似合いなのにさ!煮え切らないんだもん!ムカつくに決まってんじゃん!察しろし!二人とも!なんでくっつかない!嫉妬してるこっちがバカみたいなのよ!早く付き合ってくれれば、こっちは楽になれるのにって、ずっと思ってたんだから!」
トモコは泣き崩れる。そして叫ぶ。地面に向かって、怒りながら、泣きながら叫ぶ。
「でも私はアキオもユカりんも!二人とも大好きだし!自分に正直でいたいしぃ!二人と仲良くやっていきたいだけなのにざぁ!」
ぶはっーって、またトモコは大泣きし始める。溜まりに溜まった感情のダムがバカになって、顔を埋めて、ああー!って叫んで全部吐き出してる。
私ももらい泣きして、ぶへ〜って泣きながら、トモコの前にひざまずく。
「そんなのずるいよ!ぎいでないよ!ドモぢのぎもじ。あだじだって!知りたがっだっ!」
「言うわけないじゃん!ぞんなごど!ユカりんざぁ。あっじのごど、天然で鈍いやつだなって、思ってたっしょ?ぞっくりそのまま返ずわ!私こう見えて、バスケ部の主将じでで!周りのごど良く見えるの!三人の中で私が一番なんだからぁーー!ああーー!なんで死んじゃうんだよう!」
私はその言葉でトモコの、いまの気持ちを察する。つられて私もぶちまける。
「もういいよ!トモち悪くないよ!誰も悪くないよ!卒業しても三人でまた遊ぼって、一緒にいよって言ってたじゃん!私嬉しかったよ!トモちは親友だよ!だから我慢してたんだよ!他の子だったら渡さなかったよ!よかったね!おめでとうって!そう思ったの、ホントだよ!笑ってられないって普通!心では泣いてたけど!」
なのに、なのに……
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