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まるで子供の喧嘩みたいに、二人してビエーンって泣く。人目気にせず泣く。泣きまくる。
トモコの肩を、抱こうとした手が素通りする。
「なんで二人とも逝っちゃうんだよーう!」
「ごめんてー」
「やだよぅ。もう。一人にしないでよー」
あの日、アキオと一緒に登校していたトモコは、同じ事故で既に死んでいる。そのことをトモコは知ってたんだ。
知っていて、知らないフリして私に合わせていたんだ。
私がアキオを思いながら、トモコは私とアキオを思ってくれてたんだ。
ああ、なんてこと。
やっぱり。トモコは親友だ。
大好きだ。
だから一層悲しくなる。切なくなる。辛くなる。
地面にうずくまってひたすら泣いた。
私は中庭で、ぼっちで泣いている。
それに気づいてざわついて、見かねた生徒が保健の先生を呼び出して、保健室へ連行された。
傍から見たら、ずっと一人芝居して泣いてるようにしか見えないんだ……
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