使い勝手のいい彼

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使い勝手のいい彼

僕は彼女が好きだった。 ずっと見てた。 なのに彼女はこっちを1度も見てくれなかった。 だから僕はこっちを見るよう仕向けた。 僕には弱みを握りいくらでも動かせる人間がいた。 その中の一人が彼だった。 だから彼に命令した。 「彼女をいじめろ」 と。 いじめられた彼女は可哀想なくらい 心細そうにしていた。 だから僕が手を差し伸べたらすぐにこっちを見た。 面白いくらいにすぐに。 それがきっかけで僕らは結婚した。 ほら、 いまでも彼女は僕の方しか見てない。 お前のことなんてただのいじめっ子としか見てないんだよ。 可哀想にね。
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