調書に書けない身内のはなし

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「で、何?」 目にこれでもかというくらい 力一杯入れて自分史上一の 強面顔で、ああ?って聞き返したら、 「チッ、マジ時間取らせんな」 と、くるかね! ムカ!!! 俺の方が年上!! アイドルか、彼氏にしたいNO1か 知らねーけど、昔から我儘で いっつも同じ言葉しか言わねーのに こっちがどれだけ周りに通訳してやったと思ってんだ? 感謝しか出て来ねーだろ、普通わな! 俺が大人だから言わねぇことに 有難く思えってんだ、クソガキめ。 「見てねーよ、何も」 「言い方が見てるって言ってんじゃん」 「ぬぬ。だから知らねーって」 「もう、そこはどうでも良い!」 なんでお前が先キレんだか!? 「爲等の奴……まだあの女と付き合ってのか?」 「は?あの女?」 「あの女って言ったらあの女だよ」 その忌々しい表情から察するにどうやら 名前すら口にしたくないらしい。 ……ほうほう? 「え~~おじさんちょっと分からないなぁ。 誰だろ……あの女?あの女って?うーん」 「ッ!分かんだろ! アイツを昔っから振り回してる あの女といえば 一人しかいねーだろうが! もうボケ来てんのか?」 「いや、ほんとソレ。 どうしても分かんないから あ、いっそ爲等本人の口から聞いたらどう?」 「く!!」 ギリギリと歯ぎしりしている侑の顔! (聞けねーよなぁ~♪ 聞けねーから俺んとこに来たんだもんなぁ♪ やーいやーい、クッソガキ♪) ひ~~~ 超~~~~~~~楽しいっっ!!! いつも澄ましてるコイツのこんな顔、 雑誌に売り飛ばしたら一体幾らで 買ってくれんだろう?
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