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「向こうは大学生でお前は高校生、
時間的にも合わねぇだろ。
大学はまさか同じトコ行かねぇよな?」
「それは流石に」
ヨシヨシ、それは良い判断だ。
頭良いんだからあんな三流大学に行くの勿体ない。
「一緒に通いたいって誘われた時は
少し迷ったんですけど」
史珂め!!いらんことを!
「他人の意見に左右されんな。
自分の行きたい大学、やりたい仕事につけよ?
後悔は少ないに越したことないからな」
「ハイ」
ニコっと笑う素直な爲等に昔も今も癒される。
「仕事と言えば、法嗚兄ちゃんは
将来社長さんになることに
昔憧れてませんでしたか?」
「社長?今だってそうだぜ?
宮仕えより人の上に立って大金持ちになるとか
男の永遠のロマンだろ」
爲等は、だったらと俺が幾重にも鍵をかけ厳重に封印している
パンドラの箱を
無邪気な顔をしながら
勝手にこじ開けてきた。
「だったら警察官にならずに
(ピ―――――)さんの婿養子になってれば社……」
「うわぁぁぁ!!!!!!!
それ以上言うんじゃねぇ!」
名前を言うタイミングで
被せて聞こえなくしたつもりだが
聞こえた???
「え?でも……」
「いい子だからそれ以上言うな」
「……良い人なのに勿体ない。
自営業の一人娘さんで、おじさんも
法嗚兄ちゃんのこと買ってるし
良いじゃないですか。
僕、あの人昔っから大好きですよ?」
「じゃ……お前が婿に行けよ」
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