調書に書けない身内のはなし

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「やだ、うふふ」 否定も謙遜もナシか。 ……確かに可愛いよ。 その見てくれに騙された男は どんだけいんだろうな。 男はみんなバカだから引っかかんだろうね。 「お兄さん、 本当に警官になったんですね、意外です」 何股かけようと構わないんだけど うちの可愛い爲等を巻き込むの止めてくれ。 「そうそう、悪いことしてると逮捕しちゃうぞ♪」 「え~~史珂、イイ子だもん。 ねぇ?爲等~?」 って伝わらねぇか。 「……うん」 (あざとい笑顔なんかに顔真っ赤にしてんなよ、爲等。 ホント純情が過ぎるだろ) なぁ、史珂ちゃん。 爲等は違うんだよ。 ずっと昔っからアンタのこと一途に好きだったんだ、 その他と一緒にするなよ? 「じゃ行くね、法嗚兄ちゃん」 「あんま史珂に振り回されんなよ、爲等」 俺の呟きが聞こえたのか無かったのか 爲等は曖昧な笑顔を見せて 史珂の元へ走って行ってしまった。
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