調書に書けない身内のはなし

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「テメ、危ねぇことすんじゃねーよ! 一歩間違えばチャリと衝突してたぞ。 市民巻きぞえしたら 始末書どころの騒ぎじゃねーぞ!コラッ!」 「あ~スンマセン~ついつい」 棒読みかよ! 「先輩の待ちに待った事件じゃないですか」 「加害者は嫌だっつーの」 「我儘っすね」 だいたい仮にも日頃から超お世話になってる 先輩の足を踏むとか! 俺の一時停止無視など吹っ飛ぶ位の暴挙に、 良いんじゃないですか、実際事故になってませんしとか その警官にあるまじき言動の数々に震え上がるわ。 新人の頃のあんなに可愛かったお前は何処にいった? 「で、お巡りさんに何の用事?」 「かっちゃん、今朝見たろ?」 「…………事件デスカ?事故デスカ?」 「誤魔化すなよ、爲等の事だよ」 「……坊や。お巡りさんね、いま勤務中なの。 そういった話はまた今度で良い?」 「いつ?今日?何時に聞いてくれんの?」 「やぁ、何時と言われましてもねぇ」 はぐらかそうとしてんのも 全く聞く気ねぇのがバレてるようで、 グイグイ食い気味にくる侑の態度に押されてしまう。 「言っとくけど、俺、かっちゃんほど暇じゃないから。 今日だってやっとオフ貰えてたってのに」 侑は俺を睨みながら文句をたれてきやがる。
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