調書に書けない身内のはなし

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「貴重な休みなら有効に使えよ。 わざわざお巡りさんの追っかけするくらい 警官好きだったら別のお巡りさん紹介するけど」 「ブッ!」 途端、もう少しで制服に届く ギリッギリの所に唾を吐かれた。 「侑っ!テメー!」 生意気な態度にその胸倉を掴んだ瞬間、 「怖~~い、あのお巡りさん」 運悪く通りかかった小学生に後ろ指さされてしまった。 「……とか、言っちゃいけないよ~って 指導してたんだよ?ね~少年」 普段使っていない表情筋を駆使して笑顔を作ってみたが 今時の女児には通用しないらしく、その顔が更に怖いと 走って逃げて行きやがった。 「あーあ。これで不審者通達連絡網待ったなしだな。 言葉使いと態度気を付けた方が良いんじゃない? 国民は皆みてるからね、お巡りさん」 警官が一番言われてイラッとする言葉、それな!!! 「あ!?ちょと待って下さい。 もしかして……あ、やっぱり似てると思ったら “埜永実 侑”ですよね? 超人気アイドルが、よりによってかっちゃんの知り合い?」 「はとこだ。それとどさくさに紛れてかちゃんって呼ぶな」 それと“よりによっても”使い方も、おかしいから!」 「はとこ?……ああ、てことは例の」 ―――お前のスルースキル、凄いな。
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