調書に書けない身内のはなし

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さて、ここらでもう少しツッコんだ自己紹介の続きをしよう。 俺には、両親と姉と妹がいる。 幼かった頃にはその姉夫婦とその子供も同居しての 七人暮らしだったが、俺が高校に受かったのを機に 姉夫婦は家を出ていくことになった。 その裏には義理の兄が高校性にもなって 妹と同じ部屋では色々と…… 都合も悪いだろうと慮っての事。 本当にガサツな姉さんには勿体ないくらいの 優しく思いやりのある義兄で、何であんな良い人が うちの姉なんかに惚れてたのか今もって謎だ。 そして、二歳年下の妹は俺が就職した翌年、 俺の親友と結婚した。 どっからどうみても平々凡々。 あるある的な家族構成だと言っていい。 その穏やかな日常に突然波風が立ったのが うららかな春の日差しが心地良く 目覚まし時計の効力を疑い始めるそんな朝。 もっと詳細を語れば、今朝だよ今朝! 「ん~~」 ぼんやり目を開けると部屋は既に明るくて 何時だ?と手元のスマホを見れば六時少し前。 「……マジかよ」 目覚ましが音が鳴る前に起きたのって 遠足や雪の日、バレンタインデー以外に一度もなく、 今日はそのどれもにも該当していないというのに。 もう一時間は寝られたはず、 何だって目が覚めたんだかと思わず舌打ちをした。
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