調書に書けない身内のはなし

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「…………」 「…………」 微妙な時間に二度寝をするかどうか決めあぐねながら 布団の中でゴロゴロしていると、結構近くで人の声。 多分……二人で、男。 声を潜めてはいるが、どうやら揉めている、そんな気配。 察するに不可解な目覚めの要因はコレのようだ。 それでも最初は無視しようと思っていた。 声を潜めているあたり一応は周りの配慮ある喧嘩だろうし そのうち止むだろうと高を括ってた。 そもそも面倒ごとに首を突っ込むとロクなことがない。 他人のゴタゴタ話は仕事だけで十分。 無関心、鈍感力……なんて素晴らしい響きだろうか。 では、改めまして、おやすみなさい。 俺は断固として眠りたい。 眠りたいんだ……。 ―――だ、が。 ヒソヒソ、ボソボソ。 悲しいかな人の好奇心は睡眠より時に勝る。 この聞こえそうで聞こえないっていう絶妙な音源。 何だろうなぁ、もうちょっとで聞き取れそうなんだけどなぁ と興味を引き、もうこの際ハッキリ聞こうとするが故に 神経が研ぎ澄まされ本格的な覚醒へ導かれ…… って要は、目が覚めたんだよ!お前らのお陰でな!! どうしてくれんだ!この馬鹿野郎!!
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