30人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「…………」
「…………」
微妙な時間に二度寝をするかどうか決めあぐねながら
布団の中でゴロゴロしていると、結構近くで人の声。
多分……二人で、男。
声を潜めてはいるが、どうやら揉めている、そんな気配。
察するに不可解な目覚めの要因はコレのようだ。
それでも最初は無視しようと思っていた。
声を潜めているあたり一応は周りの配慮ある喧嘩だろうし
そのうち止むだろうと高を括ってた。
そもそも面倒ごとに首を突っ込むとロクなことがない。
他人のゴタゴタ話は仕事だけで十分。
無関心、鈍感力……なんて素晴らしい響きだろうか。
では、改めまして、おやすみなさい。
俺は断固として眠りたい。
眠りたいんだ……。
―――だ、が。
ヒソヒソ、ボソボソ。
悲しいかな人の好奇心は睡眠より時に勝る。
この聞こえそうで聞こえないっていう絶妙な音源。
何だろうなぁ、もうちょっとで聞き取れそうなんだけどなぁ
と興味を引き、もうこの際ハッキリ聞こうとするが故に
神経が研ぎ澄まされ本格的な覚醒へ導かれ……
って要は、目が覚めたんだよ!お前らのお陰でな!!
どうしてくれんだ!この馬鹿野郎!!
最初のコメントを投稿しよう!