0人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
帰宅した拓は夕飯を食べるとすぐに宿題に取り掛かり、三日分を一息に終わらせた。
「勉強熱心だな。中学受験するとは聞いていたが、この様子じゃ心配する必要ないな。」
明は感心して笑った。
拓は気まずそうにな表情になって言った。
「いや、勉強熱心なわけじゃないよ。早く終わらせてさ、友達と遊びたいだけなんだ。」
「あら、友達ができたの?」
恵子が聞いた。
「そう! 今日、前おじいちゃんと行った山に行ったら、そいつがいたんだ! 悠哉っていうの。」
拓は興奮気味に言った。
「悠哉くん、ねぇ。」
さて、どこの子だったかしらと恵子は考えたが、すぐには思い出せないようだった。
「拓ちゃん、お友達ができてよかったね。」
「うん! 悠哉と明日も遊ぶ約束したから、宿題は早めに終わらせたくて。」
拓はそう言うと、宿題の冊子を閉じて風呂場へと急いだ。
最初のコメントを投稿しよう!