7-(4) 呪いを終わらせる

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『いいよ。その分、俺が友哉を想うから』 『ああ、今度はあきらちゃんが直接操るってこと?』 『操ったりしない』 『操るわよ。自分の欲しいものの為ならどんなことでもするのが妖狐だもの』 『そうだね、どんなことでもするよ』 『あきらちゃんは私の血を引いているから』 『うん、妖狐の血を引いているから何でもするよ。でも、お母さんは、俺の欲しいものが何なのか正確には分かっていない。俺が欲しいのは友哉の体じゃない。友哉がくれるきれいな愛情の方なんだ』  お母さん(・・・・)は、ちょっとだけ笑った。 『人間みたいなことを言うのね』 『うーん、どうかな。人間はきっとこんなことしないし』  俺の心がぐんと魔物側へ傾く。 『あら……殺意を隠さないのね』 『ごめんね、お母さん』 『いいえ、謝る必要は無いわ。死ぬのはあなたの方だから』  お母さんはゆらりと揺れて、天井に届くほどの白狐になった。  純白の毛並みはうっすらと発光していて、赤い目玉が澄んでいて吸い込まれそうだ。 『わぁ……。俺のお母さんって、こんなに綺麗な狐だったんだね』 『死ぬ前に見られて良かったわね』 『死ぬ前に聞いてあげる。本当の名前は何て言うの?』 『久豆葉ヨウコよ』 『へぇ、意外』 『ふふ、名前はいくつも持っているの。ミサキ御前っていうのが、最も長く使った名前かな……。でも、やっぱり私は久豆葉ヨウコ、それが一番気に入っている』 『じゃぁ、その名前でお墓作ってあげるよ』 『必要無いわ。死ぬのはあきらの方だから』  笑んだ白狐は美しかった。
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