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彼女がいた。いたのだ。たしかに。確かに彼女だ。でも、
「なんだ、これ、、、?」
彼女は何故かとても大人になっていた。
「それでね~、」
「あはは!それはすごいね!」
何故か男の人と手を組んで。
楽しそうに、幸せそうに笑う彼女が、そこにはいた。
「なんなんだよ、これ」
浮気か?いや、彼女はそんな器用なことが出来る人じゃない。
それに、なんで彼女はあんな、大人になってる?
訳が分からなくて頭が痛い。何も分からない。
胸が、頭がぐるぐるして吐き気がした。
「麗美!」
思わず名前を呼んだ。
でも、彼女は気づかない。そして、さらに距離は広がる。
「麗美!麗美ってば!」
駆け寄ろうと、1歩踏み出そうとした。
でも、そのとき気づいてしまった。
「あぁ、そうか。そうだった」
思わずかわいた笑みがこぼれた。
そうだ、そうだった。忘れていた。
「忘れてた」
俺は、死んだんだ。
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