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「タカシ。私、明日から1週間出張なの。ごはんねこ頼んどいたからね」
夜ご飯を食べながらお母さんが言う。僕だってもう中学生なのだから、1週間くらいひとりでいられるよ、って思うんだけど、それよりも気になることがあった。
「ごはんねこ?」
「うん」
「ごはんねこってなに?」
「なにって……ご飯を作ってくれるねこのことだよ」
お母さんは、キョトンとした顔で鮭の切り身を口に運んでいる。
「ふうん」
だから僕もあっさり答えた。だって恥ずかしいじゃん。僕が知らないだけで「ごはんねこ」が世界の常識だったら。それに、どうせ明日になったら「ごはんねこ」がいったいどんなやつなのか分かるのだ。
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