冷たいやさしさ

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投稿してほどなく、通知メッセージが届く。 「待ってました! 今回も、素敵な作品ですね」 なぜか自分なんかをフォローしてくれていて、周りと比べて目を引くわけでもなく、特徴があるわけでもないイラストを、投稿するたびに最速でハートを付け、コメントしてくれる常連さん。 じわり、と胸の中が温かく溶けると同時に、どろり、とまた別の重たさが生じる。即、ではなく、一拍置いてから、返信コメントを送る。 「いつもありがとうございます。正直、描いている間ずっと悩んでて、これでよかったのかな? って思いもあるんですけど」 言わなくていい、言わないほうがいいことだとは、わかっている。描き手は、発表してしまったものに、あれこれと言い訳を述べるべきではない。でも、どうしても、言いたくなる。表に出してしまう。 「とってもいいと思いますよ! 次の作品も楽しみです♡」 ああ。 そういうことを返してくれると思ったから。 だから、あんなに自意識の塊みたいな返信を漏らしてしまうのだ。 まるで、自慰で達した直後のように、全身を巡る快感と高揚感、そして僅かばかりの罪悪感を覚えて、少し、身体を震わせる。
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