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 店長が去り、新体制に移行の際に問題が生じた。なんと、新しい店長の成り手がいないのである。最高の立地のコンビニエンスストアを回せる程の人材となると数が限られてくる、そのような人材は既にどこかのオーナーになっており手が離せない。 さて、どうしようか? エリアマネージャーは必死に頭を捻らせた。導き出した発想は「オーナーがいないならいないまま店を回せばいい」であった。 エリアマネージャーはコンビニ本部に提案した。 「あの、私いつも本社への出社の際に駅の売店使ってるんですよ」 「それがどうかしたね?」と、お偉方が首を傾げた。 「駅の売店の無人店舗なんですよ。買い物かごに商品入れて置くだけで総額が表示されるシステムのやつです」 「あの店を無人コンビニにするつもりかね? 近所のスーパーでもセルフレジだけは人がいるのを見たことがない。この国は現金主義…… いや、現金礼賛と言ってもいい。まだ早いのではないかね?」 「だから、うちがその(さきがけ)になるんですよ」 「君ぃ? 駅やオフィス街のコンビニならいいと思うよ? 都市部の住宅街も近いコンビニでそれはまだ早いよ」 「とりあえずは現金・クレジット・電子マネー決済、どれでもOKなレジにしましょう」 「ホットスナックはどうするね? ロボットに揚げさせるとでも言うのかね?」 「確かに無人で揚げてくれるロボットはありますが…… 無人店舗で火や油を扱うリスクを考えると、よろしくないですね。改装(リニューアル)当初はなしの方向で。徐々に作り置きをお客様にセルフでチンして貰う方向にシフトしていきましょう」 「上手くいかないようなら有人店舗に戻せるよう、人材だけ探しておいてな」 「……承知しました」
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