飛び出せ! 春の新戦隊!

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「夏でも長袖着なきゃいけないけど、そのくらいは我慢してね、暑さは感じないから」  美優があっけらかんと言った。自分は思いっきりヘソ出ししている癖に。あ、いや、そのヘソ出しはやめてもらうと困るけど。 「それじゃなんか僕、タトゥー入れまくってる人みたいじゃないですか!  サウナとかプールとかもいけなくなっちゃうし……」  次郎はその後の言葉を飲み込んだ。いやもちろん次郎としては、最も問題視せざるを得ないのは、自分が一生童t……。 「プールにいけないのと、地球が滅亡するのは、どちらが困るのだ?」  ダークメイスンよ。その二択はずるい。さすがにかわいそうだ。そんな聞き方で、次郎の一生を決定させて良い筈がない。  なんて、単なる筆者(ひっしゃ)である筆者(わたし)が野暮な事を言うわけにもいくまいなぁ。 「……地球の、滅亡、です……」  まぁ、そう答える他ないわな。滅亡したらプールもなくなるわけだし。 「では、決まりだ!」  長官は満足げにうなずくと、ポケットから携帯端末を取り出した。単なるスマートフォンにしか見えないが気のせいだろう。  ピポパ、といかにもありがちな音を立てて、長官はどこかをコールした。 「あーもしもし。私だ。例の改造手術の準備を開始してくれ」  ピッ、と音を立てて通話切断。 「メイスン君。手術はよろしく頼む」  長官はダークメイスンに顔を向けて言った。いや、それにしても早速すぎはしないか。 「はぁーい!かしこまりマーシター♪」 「やったね長官! 頼もしいメンバーが増えたね!」  仲間が増えたとはしゃぐダークメイスンと美優。 「え? け、決定なんですか? お、俺の意思は?」  もう既に筆者(わたし)から見ても無駄としか思えない次郎の抗議。地球滅亡の危機の前では、一介のNeetいやフリーターの意志などは問題にならないのだ。 「はいはい、地球の存亡がかかってるんだし、文句言わないのー」  ほらね。美優も言っている。 「でも、でもなんなんですかこの組織は!  国連とか言ってましたけど本当なんですか!?」  次郎は最後の反撃に出た。確かに『地球滅亡の危機』自体に疑義があるなら、魔改造手術を拒否する事も可能だ。 「そうだな。メンバーについてはわかってもらえたと思うが、組織についてはまだだったな。  よし、この組織については、次回に説明しよう」  長官はあっさりと答えた。 「じ、次回??」  そうだ。次回ってなんだ次回って。メタ的発言は筆者(わたし)の特権だぞ。 「次回は、更なる波乱が巻き起こる……。  と、予知してみましたぁ~♪」  だから! メタ発言は筆者(わたし)の特権だってば!  ……と、とにかく、地球の危機はすぐそこまで迫って来ていた。  果たして次郎の運命は?  そして、「春の新戦隊」の全貌とは……?  戦え次郎! 地球の平和のために。
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