はじめに

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はじめに

 看守様が、紙とペンをくださったことを感謝せねばなりません。  わたくしは今、牢獄にいます。何故ならば、罪人であるからです。そして、あと一週間もすれば処される死刑囚だからです。  本来ならこうして何かを書くことも、誰かに伝言を残すことも、決して赦されることではありません。  それでも、今ペンを走らせることが出来るのは、神の最後の慈悲もしくは悪魔の気紛れのおかげなのでしょう。  何から話したら良いでしょうか…。  いいえ、元から話すことは決まっています。彼女との──イングリッドとのことを。
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