第六幕

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 そうして──恋人を貶められ続けて憎悪に駆られ、最期は恋人と共に亡くなった哀れな兄に代わって、アルヴィウスが皇太子となる──その算段でした。  彼の唯一にして最大の誤算は──わたくしにその計画を話してしまったこと。  そしてわたくしが反省すべき点は──彼を怒りに任せて刺し殺したことです。  あの時、わたくしはイングリッドを殺そうと考えていた彼に対し、激しい怒りが満ちていました。  アレクシルが殺されるかもしれないことも、もう王妃への道が途絶えることも、家のことも──全てが頭から抜けていました。ただ、イングリッドを殺そうとしていた──それだけが、わたくしの思考を埋め尽くしていたのでした。
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