0人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日から猛特訓が始まった。
朝はいつもより早く起きて、一緒に朝ごはんと自分のお弁当作り。さすがに父のお弁当はお母さんに任せる。
私が料理しているのを目を父は丸くして見ていた。
「麗美、どうしたんだ」
どうしたとは失礼な。私が料理しているのがそんなに変なのかと思いながらも、無視して続ける。
「今度愛永君とお花見に行くから、お弁当作るために頑張ってるのよ」
「いちいち言わなくていい!」
父親に知られるのは恥ずかしい。
彼も何度か家に来た事があるので、二人と顔を合わせたことはあるし、仲もいい。けれど、デートに行くと知られるのは何だか少し恥ずかしい。
「大丈夫なのか、、?」
私の手元を心配そうに見る父。
「うるさいなぁ、お母さんと同じこと言わないで!」
少し拗ねたように、でも強めに言い返す。
まったく、少しは静かに見守っていて欲しいものだ。そんなに心配な手つきをしているのだろうか。
「よし、」
出来上がった自分のお弁当と朝食を見る。
思っていたよりもいい感じだ。
「まあまあいいんじゃないの?」
「うん、思ったより上手くできた」
得意げなでも安心したようなそんな顔をしていたと思う。
出来たお弁当を見て、当日の心配は少し薄れた。彼の反応が楽しみだ。
最初のコメントを投稿しよう!