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「おはよー!」
「おはよ」
いつも通りの朝、今日も朝早くから母に料理を教わって作った。
いつも学校へは彼と一緒に行く。
私が待ち合わせ場所についたときには、既に彼がいた。
「ごめん、遅くなっちゃった」
「全然。待ってないし気にしないで」
いつもは私の方が早く来ているから、少し悔しいななんて思いながら、学校へ向かう。
「でも、珍しいねいつも僕より早いのに」
「たまにはそういうこともある~」
「いいんだけどさ、いつも僕の方が遅いのなんかかっこ悪いし」
申し訳なさそうな顔。
彼は朝が弱い。私は強い。別に私は気にしていないのだが、彼は結構気にしているらしい。
「そんなに気にしなくても」
「だって、」
可愛いな~、なんてすこし笑ってしまった。
男らしいかと言われたら頷けない、どちらかと言うとか弱そうな彼。それもあってなのかそういう事には結構敏感だ。男は先についていなきゃとかそういうふうに思っているらしい。でも、だからといって朝が弱いのはどつにもなおらないらしい。夜型なのだろう。早くに寝ようと思っても眠くないから当然寝付けないので、結局気づけば夜中らしい。
「愛永は愛永でしょ。男はこうじゃなくちゃとか、男らしさとかそんなの気にしなくていいの。愛永が愛永だから、私は好きになった」
「……ありがとう」
「だいすきよ」
「僕も」
優しく、暖かい彼が本当に大好きだ。
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