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「もう結構桜咲いてるね~」
「土曜日、晴れるといいな」
通学路。桜の花びらがひらひらと舞っている。
暖かい日が続いていたからか、もう満開だ。
「きれ~」
繋いだ手をゆらゆらと揺らしながら歩く。
昼からの講義の時はいつもゆったりと、ちょっと寄り道したりしながら行く。
「あ、可愛いお花咲いてるよ!」
「ちょ、走ると転ぶよ!」
「ねぇ、みてみて!早く!」
後ろからゆったりと歩いてくる彼を急かす。
「きれいだね~」
「ほんとだ、」
桜の木の下から少しだけ離れたところに可愛くて、満開の桜に負けないくらい綺麗な花が力強く咲いていた。
「ねぇ、私幸せ」
伝えたくなった。私はこんなに幸せだ。
それを全部伝えることは出来ないけれど、言葉にしたくなった。
そっと、花を撫でる。
「このままずっと、この時が続けばいいな」
広く、青い空。この空の向こうには何があるのだろう。どんな景色が広がっているのだろう。
彼と色んな景色を見ていたい。ずっと、この先も。
「続くように頑張るよ」
優しい笑顔。私とこれからも一緒にいてくれると当たり前のように言ってくれる彼は本当に凄い。だからそこ、
「ふふ、じゃあ一緒にね」
1人ではなく、2人で歩んでいきたい。
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