桜の花のように

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「おはよう、麗美」 「生望(いくみ)!おはよー!」 「愛永も、おはよ」 「あぁ、おはよう」 大学についてすぐ、会ったのは中学の頃から仲のいい女の子。 大人っぽくて落ち着いてて、私とは正反対のタイプ。中学も高校もずっとクラスが一緒で、彼とも仲がいい。 「また寄り道してきたの?」 「そーなの!桜がすっごく綺麗でね~」 私の手にある花を見て言う彼女に、さっきの出来事を話す。彼女はとても聞き上手で、いつもついつい話が止まらなくなる。 「お花見もうすぐだから、すっごく楽しみ」 もう明後日にはお花見だ。料理の特訓も頑張ったし、もうすぐだと思うとわくわくする。 「いいな~、私ともデートしようよ」 「する~!」 彼女の腕にくっついて顔を見合わせて笑う。 「僕の彼女なんだけど」 「あら、女同士の楽しい時間を邪魔する気?」 意地悪な笑みを浮かべる彼女に、降参とばかりに両手を上げて笑う彼。 「まさか、楽しんでおいで」 ただ、面白がって言っただけで女の子に妬くほど彼の独占欲は強くない。 今度は、優しい表情の彼と顔を見合わせて笑った。 講義が全部終わって、彼と二人帰路に着く。 「なぁ、明後日何時からにする?昼間でもいいと思ったけど、夜桜もいいなーって」 「夜桜いいね、絶対綺麗」 「んじゃあ、夜にしよう。18時に迎えに行くね」 「うん!」 明後日が待ち遠しい。
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