側に

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 起きたのはいつなのか、何時なのか分からなかった。 「私…」  ゆっくり起き上がった。  隣にいるはずの真司はいなかった。  水が欲しい…。  私が布団から出ようとした時に、 「サラ、起きたんだね」  真司が寝室に入ってきた。 「これ、飲む?」  差し出されたのは水だ。 「ありがとう」  私は冷えたペットボトルを掴んだ。 「あ。待って、開けるから」  真司は、ペットボトルを優しく縦に持ち、キャップを開けた。 「どうぞ」  私はペットボトルを取り、一気に水を飲み込む様に飲んだ。 「はあ」  ペットボトルの水は半分減っていた。 「大丈夫?」  真司は、心配そうに私を見ている。  私は、ペットボトルを持ち息を整えた。 「意地悪。お願いしたのに」 「姫こそ意地悪だ。可愛すぎる」  真司は、私の隣に腰掛けた。 「可愛くて可愛くて仕方なかった」 「恥ずかしい事、平気で言うのね」  私はちょっと強めに言った。 「恥ずかしくないよ。ホントだ」  真司は私の目を見つめた。 「素直に言っちゃうのね」 「素直じゃなかったら愛は伝わらないから」 「そうね」  私は笑った。 「笑うなよ」  真司の口元はキュッと結ばれた。 「だって」  私はクスクスと笑った。  外は、3月なのに風が吹いている。  土曜日の昼時。  私たちは、ランチ先を探していた。 「うーん、姫は何食べたい?」 「うーん、お寿司かな」 「回転寿司でいい?」 「うん」  車は近くの回転寿司へ入った。  ランチの時間だからなのだろう、待つ人で溢れていた。 「混んでるね」  真司は、くるりと並んでいる人たちを見渡した。 「そうね」  私も店内を見渡した。 「待つ時間あるし、ここでいいかな?」 「うん」  私たちは機械の前で話しながら操作した。 番号の書かれた札が出てきた。 「15組が待ってるのか」  真司は、番号札を見ながら溜息。 「他行く?」 「いや、ここでいい。ここじゃないと美味しくない」  真司は、壁側の最後尾に私の手を引き並んだ。  スラリとしたスタイル。決して、背は高い方ではないが見惚れてしまう。  私はと言うと、160センチあるかないかの身長にポッチャリした体型。よく、真司が私を選んだと思う。 「姫、どうした?僕を見つめて」  じーと見つめてしまっていたようだ。私は慌てて「何でもないの」と、苦笑いした。 「僕はいつも、姫だけ見つめてるよ」 「私も真司だけ見てる」 「可愛いから危ないの、姫」 「危ないって?」 「昔で言う、変な虫がつくんじゃないかなって」 「まさか」  私はモテたためしがない。  真司は機嫌悪そうに、 「姫が思っている以上なの」  真司は、恥ずかしげもなく、抱き寄せた。 「僕だけ見て」 「うん」  恥ずかしくあったが、嬉しかった。
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