今はまだ

1/1
前へ
/8ページ
次へ

今はまだ

 日曜日。  1時くらいまでは記憶はあるけど、その先はない。時間が分からない。時計くらい置いてよね。 「サラ、まだ寝てた?」  真司はまた、コンビニへ行ってきたらしい。 コンビニ袋を持っている。 「はい、お水」  ペットボトルを渡される。 「ありがとう」  私は胸が見えないようにしながらペットボトルを受け取った。キャップを今度は自分で開けて飲んだ。 「はい!」  真司に半分入った水を渡すと布団に包まった。 「怒ってる?」 「だって、何時までだったの?記憶飛んでるんだけど。恥ずかしいわ」 「だって仕方ないよ。可愛いんだもん」  可愛いはキュンときた。 「怒ってないで顔見せて」  仕方ない。  アルトの優しい甘い声。  逆らう理由はない。  私は、くるっと真司の方へ顔だけ向けた。 「姫〜」  ガバッと真司が覆い被さってきた。 「真司なに⁈」 「今日は最後だから愛し合おうよ」 「な、何言ってるの⁈何十回…」  口を口で塞がれた。 「姫の全てが欲しいからだよ」 「あげてる!あげてます」 「足りない。もっと欲しい」 「キャッ!」  ああ。  神様…。  いるなら助けて! 「も、もう助け…」  子宮の奥で何度もイかされてる。 「止まらないの、姫。諦めて」 「キャー!」 「姫はね、寂しがりだから僕の愛が必要なんだよ」  喘ぎ声じゃなくて、叫び声にしかならない。  涙が止まらない。 「キスマーク内股にたくさん残すからね。お嬢様には見つからないようにね」 「いやあ!イクゥー!」 「いっぱいイキなよ」 「いやー」  私はイキながら叫んだ。 「可愛いね。マイ プリンセス」  真司の声は、耳元で聞こえた。吐息のように。身体がゾクゾクするのが止まらなかった。  お昼を過ぎていた。 「真司、お腹すいた」 「ん?お腹空いたのね。何食べたい?」  2人布団の中だ。 「焼き肉」  真司は、驚いている。 「焼き肉屋さん、珍しいね」 「だって、体力補充しなくちゃ」  ハルカに醜態は見せられない。 「牛角でいいかな?」 「うん!」 「シャワー浴びてから行こうか」  牛角久しぶり♪  私からシャワーを浴びた。 「美味しいね♪」 「そうだね」  私たちは、カルビを焼いて食べていた。 「ここってちょっと高そうよ」  私は真司に囁いた。  真司は、ふふん。と、ドヤ顔した。 「何のために働いてるの。姫の喜ぶ顔が見たいからさ」  私はドキッとした。 「私のため?」 「うん。当たり前の事だろ。愛しい人のためならいくらでも働くさ」  真司は、カルビをまた、焼き始めた。 「誰かの手を掴みそうに…♪」  車のラジオから聴こえてくる。 「SawanoHiroyuki[nZK]Lisa narrative」  え。  あの。  紅蓮華の? 「ナラティブ?」  こっちの方がいいな。 「ガンダムTN(ナラティブ)の歌らしいよ」  真司が運転しながら言った。 「ガンダムの歌なんだね」  意外といい曲だ。  曲を聴きながら考えていた。  真司との事。  私はもう少し、ゆっくりとお付き合いしたい。だって、私だって結婚まで行きたいし。 だから、落ち着いて2人の将来を考えたい。  真司が運転しながら言った。 「結婚したいって気持ちが強すぎたかな? ハルカの気持ち聞いてなかったよね」 「あ…」  私は息詰まったのを必死で声を絞り出した。 「私も結婚したいって思ってるよ。でも、まだお付き合いをしっかりしたいの」  真司は、「ちょっとカフェで話しようか」と、一言言うと近くのカフェに入って行った。  2人でメニューを見た。 「僕はブレンドかな」  私は迷っていた。  コーヒー?  それともジュース?  悩んだ挙句、「同じでいい」  真司は、手を挙げて店員さんを止めた。 「ブレンドコーヒー2つ」 「ブレンドコーヒー2つですね。少々、お待ちください」  店員さんは笑顔でメニューを繰り返し、歩いて行った。  真司は、私の目をじっと見ている。  私はと言うと、恥ずかしくて顔が熱くなっている。 「ゆっくり話したかったから。結婚したい気持ちはあるんだね?」  私の胸がドキッといった。 「あ、あるよ。…でも、まだ私たち出会って3ヶ月よ。まだ私はお付き合いしていたいの。娘のこともあるから」  「お待たせいたしました」  コーヒーが運ばれてきた。  私は店員さんが去るまで下を向いていた。  真司は、コーヒーカップを手に取り一口コーヒーを飲んだ。  私も飲んだ。 「だ、ダメかな?」  真司は、目を閉じた。  すぐに目は開かれた。  「悪かった」  真司は頭を下げた。  「姫を取られたくなくて焦ってしまった。 指輪は、重いかな?婚約だけでもしたい」  婚約…。  私も真司を誰かに取られたくない。 「婚約ならしたい…かな。指輪していたい」  真司は、ホッとした顔をした。    永遠にお互いを愛していたいから  焦らずにいたい。  永遠を信じられますように…。  
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加