サキドリ

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子供は不思議そうに、隆夫のことを見つめている。 「ちょっといいかな」 「うん」 「ありがとう」 そう言うと、隆夫は子供のランドセルに手をかけた。 そのまま、ぱつぱつのランドセルを背負った。 「ありがとうな」 「うん。いーよ」 少し間を開けて、子供は笑顔で答えた。 「ゆうくーん、待ってー」 子供の背を見送りながら、隆夫はニヤリとほくそ笑んだ。
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