ファインダーの向こうに、僕の娼品価値を問う

ショートストーリー２ 映像の効果

　断ろうとして、はたと思った。そういえば、毎回の行為を撮影してきた映像、一度も透に見せたことがない。

「なら、今まで撮りためた、俺たちの映像を見てみるか？」

「えっ⁉ あっあのっ待ってそんなつもりじゃなくてっ」

「さっそく鑑賞会にしようか」

　食べ終わった皿を片づけ、いそいそと準備を始めた。撮影から編集までこだわり抜いた自慢の映像たち。どの映像にも、淫乱で美しい透の姿が映っているはずだ。どれを見てもらおうかと悩みながら、パソコンとテレビを接続する。ほどなくして、テレビの大画面に透の姿が映し出された。