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「ああ、なつかしいな。これは10月の記録だ。ほら、このソファーで愛し合った時の」
麗央のひざの上に座り、後ろから貫かれ、あられもなく両足を開いた透の姿が映る。背面座位という体位だ。こわばった筋肉が、キスしている間にだんだん弛緩していき、徐々に透の興奮が高まっていくところが、はっきりと映し出されていた。
ほう、とため息をついた。快楽に屈服し、自分から腰を揺らし始め、内股を震わせて絶頂へ……。ああ、なんて淫乱でかわいらしいんだ。うっとりと鑑賞していると、ふいに視線を感じた。
「どうした?」
透が首をひねって、麗央の顔をじっと見ている。なにか言いたげに口を開き、なにも言わずに閉じ。そしてテレビに背を向け、体を半回転させて麗央と対面し、麗央のひざによじ登った。
「麗央……」
麗央のほおに、透の手が添えられる。ゆっくりと顔が近づいてくる。唇が重なる直前、吐息とともに透はささやいた。
「……見ないで」
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