のんちゃんがいます

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「いつもジェイムスと遊んで下さる方よね?」  俺に気づき頭を下げた寿さんが、ジェイムスを見て目を見開く。 「ジェイムス、離してあげなさい! お嬢ちゃんが困ってるじゃないの! ねえ」 「のんちゃんだ!」  寿さんの命令にのんちゃんを降ろしたジェイムス。 「お嬢ちゃんじゃない、のんちゃんだ」  慌ててのんちゃんは俺の後ろに隠れた。  ……てか、お嬢ちゃん?! 「もしかして、寿さん見えてるんですか?」  俺の足にしがみつき、じとっと婆ちゃんを見上げるのんちゃん。 「ごめんなさいね、のんちゃん。ジェイムスは、のんちゃんとウチの子の匂いが似ているから連れてきてしまったのかも」 「ウチの、子?」  婆ちゃんの後ろからチラリと顔を覗かせた男の子。  年の頃はのんちゃんと同じくらい?  青いかすりの着物を着た、えっと。 「いっくんだ!!」  のんちゃんの声に反応するように。 「のんちゃんだ!!」  いっくんと呼ばれた男の子が目を丸くしている。 「いっくんだ」 「のんちゃんだ」 「いっくんだ」 「のんちゃんだ」  二人は駆け寄り、手を取り合ってグルグルと回り出す。  最後には自分たちの目が回ってその場にへたり込んでしまった。
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